別居と自宅建物からの退去(明渡請求)

別居中の妻からの相談例
私は夫と結婚後、夫が結婚前から所有していた建物で婚姻生活を送っておりました。しかし、夫の不貞が発覚し、夫は私に対して離婚を求めるとともに、もう一緒に生活はできないと述べて自宅から出ていってしまい、現在は別居状態です。
そうしたところ、夫から、自宅建物は自分のものだから出ていって欲しいといわれてしまいました。まだ離婚も成立していませんが、私は出ていかないといけないのでしょうか。
弁護士による解説
1 基本的には出て行かなくてもよい
夫婦間においては同居義務があり、従前から自宅建物において同居して婚姻生活を送ってきている場合には、離婚が成立するまでの間は、基本的には自宅建物において居住する権利があるといえ、居住し続けることができるものと考えられています。
2 例外的に出て行かなければならない場合(明渡請求が認められる場合)
もっとも、例外的に、自宅建物に居住し続けている配偶者に婚姻関係破綻(別居)についての責任がある場合(例えば、不貞行為やDVなど)には、例外的に、自宅建物に居住する権利を主張することは権利濫用などとして許されず、結論的に、自宅建物から出て行かなければならない(明渡請求が認められる)ケースもあります。
3 まとめ
本ケースでは、自宅建物においてこれまで婚姻生活を送ってきたとのことですので、離婚が成立するまでの間は、妻は自宅建物から出て行く必要はないものと思われます。また、夫婦が別居に至った原因についても、夫の不貞行為にあるとのことであり、むしろ夫側が有責配偶者であるといえれば、なお夫の明渡請求は認められない可能性が高いでしょう(裁判例でも、有責配偶者からの明渡請求は権利濫用として否定しているものもあります。)。















