離婚時の財産分与と学資保険

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離婚を考える妻からの相談例

この度、夫と離婚することとなり、8歳の長男の親権は私が持つことになりました。私たち夫婦は長男の将来の進学に備えて学資保険をかけていましたが、このような学資保険も離婚の際に財産分与として清算をしなければならないのでしょうか。私としては、学資保険は子どもの将来のためのものですので、このまま解約せずに維持したいと考えていますが、そのようなことは可能でしょうか。

弁護士による解説

1 学資保険の財産分与

離婚に際しては、婚姻期間中に築き上げた財産を清算する財産分与という制度があります。そして、学資保険も、貯蓄性のある保険として財産的価値がありますので、財産分与の対象財産となるのが原則です。

2 学資保険の分与方法 

上記の通り、学資保険も財産分与の対象となりますので、その財産的価値を分与割合(通常は2分の1ずつ)にしたがって清算することになります。具体的には、最も分かりやすい清算方法としては、学資保険を解約して戻ってきた金銭(解約返戻金)を分与割合にしたがってそれぞれが取得する方法です。

他方、今回のケースのように、学資保険は解約せずに継続したいという場合もあります。その場合には、解約返戻金額を調べた上で、相手方に対して、確約返戻金相当額に分与割合を乗じた金額を代償金として支払い、学資保険は継続するという方法が考えられます。例えば、上記ケースにおいて、解約返戻金50万円、分与割合2分の1とした場合、(元)夫に対して25万円の代償金を支払った上で、学資保険の契約は継続していくという形になります。

なお、このような方法を選択する場合には、親権者と契約者(保険金受取人)が一致しているか否かの検討も重要です。つまり、一般に、学資保険の契約者及び保険金受取人は父親(夫)になっていることも多く、この場合、上記ケースの場合では、契約者(保険金受取人)の変更手続をしなければ親権者ではない父親(元夫)が満期で保険金を受領することになり、確実に父親(元夫)から保険金を渡してもらえるか否かについて不安が残ることになります。

したがって、上記ケースでは、親権者である母親(元妻)に学資保険の契約者(保険金受取人)の変更手続を行うことが望ましいといえます。

私たちが丁寧にわかりやすくお話します。

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