別居中の妻に子供との面会交流を拒否された場合

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子供と会わせてもらえない夫からの相談例

 

 私と妻は、現在、離婚に向けて協議中です。約3か月前に、妻が子どもを連れて、家を出ていったため、別居中です。どうしても離婚の条件が折り合わないため、話し合いが長引いています。

 そのような中、私は、子供と3か月以上も会えていないため、妻に子供に会わせて欲しいと申し入れましたが、妻からは「離婚が成立するまでは子供に会わせない」と言われました。

 私は、離婚が成立するまでは、子供に会うのを我慢しなくてはいけないのでしょうか。

弁護士による解説

1 面会交流は親と子供が離れて暮らしている場合に認められる

 

 面会交流は、子供を監護養育していない親が子供と交流を図るための大切な機会であり、これは子の健全な成長のために重要なことであると考えられています。そのため、面会交流は、離婚前の別居中であっても、親と子供が離れて暮らしている場合には認められ、離婚して初めて認められるようなものではありません。実務上、子の利益(福祉)の観点からは、面会交流は実施されることが望ましいとされています。

 もっとも、面会交流を認めることが子の利益(福祉)に反するような場合(例えば、別居中の親が子供に対してDVに及んだことがある場合、別居中の親が面会交流の機会に乗じて子供を連れ去る危険がある場合など)もありますので、そのような場合には別途検討が必要です。

2 本ケースのような場合の対応方法

 

 上記のとおり、面会交流は原則実施されるべきであり、本来ならば、夫婦間の話し合いで面会交流の方法を決めることが適切といえます。

 しかし、本ケースのように、別居している状況ですと、円満な夫婦関係ではなくなっているため、冷静な話し合いをしたり、面会交流に関する協力を得ることが難しい場合があります。

 そのような場合には、家庭裁判所の手続を利用することになります。具体的には、家庭裁判所に面会交流(子の監護に関する処分)の調停を申し立てます。離婚調停中に別途、面会交流の調停を申し立てることも可能です。調停手続において、両者が合意した場合は調停成立となりますが、合意が難しい場合には調停不成立として、自動的に審判手続が開始されます。

 なお、面会交流を円滑に進めるためには、(特に、子供が幼い場合は)話し合いや調停手続の中でその内容を具体的に決めておくこと(面会交流の頻度・時間・場所、子供の引渡方法、連絡方法、面会交流の際の費用負担、学校行事への参加の可否など)が望ましいといえます。もっとも、面会交流の内容は、子供の利益を考え、子供の年齢・健康状態・生活状況等に配慮した無理のないスケジュールであることが大切です。

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